【面接対策】よくある質問と回答例 面接中盤編
はじめに
面接中盤では、応募者の意欲や考え方など内面に関する質問が多くなりますので、企業研究と自己分析をどれだけ行ったかが重要になります。それらを踏まえて、面接中盤での回答に大切なポイントを解説していきます。
自己PRをお願いします。
企業が自己PRを尋ねる理由は2点あります。1点目は「人柄を知るため」、2点目は「自社で活かせるスキルや強みがあるかどうかを知るため」です。特に、2点目は面接官に企業とのミスマッチを想起させないような回答を準備しておきましょう。
自己PRの答え方は、まず簡潔に自分の強みを述べたあと、強みの根拠となる過去のエピソードを話します。そのときに、出来事に対して取った対応と、どのような結果になったかまで具体的に話すことが大切です。そして最後に、自分の強みを入社後どのように活かしていくのか伝えるようにしましょう。
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回答例
「努力を継続できることが私の強みだと思っております。
学生時代に私が所属していたバレーボール部は、20XX年以来毎年インターハイに出場している強豪校でしたが、私は身長が低いので、レギュラー入りを目指して主に跳躍力を鍛えることを最初の目標にしました。
高い跳躍には下半身だけでなく上半身の筋肉も必要であることを学び、部活での練習に加えて、ストレッチと筋トレ、ジャンプの自主練に日々取り組みました。その結果、3年生のときにはインターハイのメンバーにも選出されました。
この経験から努力を継続することの大切さと、達成感が得られる喜びを感じました。御社では営業職を希望しておりますが、その経験を活かして、結果が出せるまで努力を続けたいと考えております。」
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失敗例
「努力を継続できることが私の強みだと思っております。
学生時代はバレーボール部に所属しており、毎日インターハイに出場するために努力しておりました。入部したての頃は練習についていくだけで精一杯な状態でしたが、元来負けず嫌いな性格のため、人一倍スキルアップできるように努力してきました。
チャレンジ精神が旺盛で何でも興味があるため、御社でも自分の性質を活かしてトップの営業マンになりたいと考えております。」
NGポイント
自己PRが抽象的で根拠に乏しいと、自身の魅力がうまく伝わりません。また、応募企業や仕事内容にあった強み、さらに履歴書やエントリーシートの内容と矛盾しない魅力をアピールすることも大切です。
面接の自己PRについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。面接での魅力的な自己PRの答え方【各ケース回答例あり】
あなたの長所と短所を教えてください。
面接官が長所と短所を聞く理由は、応募者が自分を客観視できているかを計り、企業の社風や仕事内容にマッチする人材かどうかをイメージするためです。長所は具体的なエピソードを交えて説明するのがポイントです。
一方、マイナスイメージが強い短所は「特にありません」と答えてしまいがちですが、かえって「自己分析のできていない人」と捉えられかねません。短所は「裏返せば長所としても受け取れるか」「短所改善・克服のためにどのような工夫をしているか」といった点に気を付けて話すことで面接官にも納得してもらいやすくなります。
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回答例
「私の長所は他者への気配りができるところです。学生時代にアルバイト先でご高齢のお客さまに商品について尋ねられることが多かったため、ご高齢の方でもわかりやすく、読みやすいPOPを自主的に作成しました。店長にPOPの掲示を提案し、採用された際にはお客さまからお褒めの言葉をいただけました。
御社では営業職を志望しておりますが、いつまでもお客さまに対する思いやりの気持ちを忘れずに、クオリティの高いサービスを提供していきたいと思います。
一方、短所は優柔不断なところです。物事の判断に時間がかかってしまうため、常に自分の中に判断の軸を持ち、優先順位をつけながら考えることを心がけています。」
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失敗例
「私の長所は運動神経がいいところです。学生時代は陸上部と野球部の掛け持ちをしておりました。特に、陸上部ではインターハイに出場して活躍しました。また、周りからは大変親孝行だとも言われていますので思いやりや気配りができると思います。
一方、短所はせっかちなところです。飲食店のアルバイトではスピードを重視した結果、料理に必要な具材を乗せずにお客さまに提供してしまったことがあります。しかし、やる気だけは人一倍ありますので御社の営業職にも貢献できると思います。」
NGポイント
長所について「どう活躍したか」などの具体的なエピソードが弱く、自慢のようになり客観性が感じられないと、うまく伝わりません。短所については、自分の欠点を自覚し、カバーしようと努力する姿勢をアピールすることが大切です。
長所・短所の回答に悩んだらこちらの記事をご参考にしてください。面接で長所短所はどう答えるべき?内定の出る例文を解説(職種別)
今後のキャリアプランを教えてください。
キャリアプランとは、仕事や働き方に関する目標達成のための計画を指します。キャリアプランがないと、面接官に「目標や計画性、自主性がない人ではないか」と懸念される可能性もあります。
しかし、どのように素晴らしいキャリアプランでも、応募企業での実現が困難であれば、マイナスイメージにつながるケースもありますので注意が必要です。企業研究をしっかりと行った上で、応募企業だからこそ実現できるキャリアプランを伝えることが肝心です。自分が働いている姿を具体的にイメージしながら回答することをおすすめします。
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回答例
「御社では事務職を希望しておりますが、将来的には新人教育や人材育成などを任せていただけるような人材に成長していきたく存じます。まずは、2年から4年を目標にして専門性の高い業務にチャレンジできるよう、資格取得のための勉強に励んでおります。
また、前職で社内フォーマットを簡略化した経験がありますので、部署内の生産性を向上させるために、スピード感と柔軟な対応を意識しながら業務精度を上げていけるよう努力します。その中でコミュニケーション力・ティーチング力を磨き、人材育成ができるスキルを身につけたいと考えております。」
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失敗例
「事務は未経験ですが、スピード感と柔軟な対応には自信があります。また、日々、業務精度を上げていけるよう努力しておりますので、専門性の高い業務をこなせる人材に成長できると考えております。
丁寧に仕事を進めるだけでなく、業務改善の提案や実行にも力を入れるように努めますので、いずれは新人教育や人材育成などを安心して任せていただけるようになりたいと考えております。」
NGポイント
キャリアプランは、数値目標やプラン実現のための具体的な行動を交えて伝えなければ、説得力が低いです。また、あまりに実現の可能性が低い目標や、プライベートな夢についても、この場で語るべきではありません。
これまでの仕事に不満はありましたか。
仕事への不満の有無を尋ねられるのは、ネガティブな出来事をポジティブに捉えようとする能力があるか、不満を解決するために具体的な行動をしたか、といった点を見られています。「〇〇の点で不満はありましたが、△△で解決しようと努力しておりました」というように前向きに回答することが大切です。
仕事への不満が志望動機や退職理由に沿ったものであれば、より説得力は高まります。特に不満がなかった場合は無理に不満があったとする必要はありませんが、うそをついて「不満はありません」と答えると、退職理由などと矛盾してしまう可能性があります。
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回答例
「前職ではWebマーケティング事業部に所属しておりましたが、入社してから3年間、ライティング業務に従事しておりました。マーケティング全体に関わる業務がしたいと上司に相談をしたのですが、ポジションがなくタイミングの問題で難しいという回答でした。少しでもマーケティング全体の業務に携わりたいと考え、ライティングに加えて、SEOについても独学し、Googleアナリティクスの数値を見ながら記事の改善提案もできるようになりました。
今回御社の求人募集を拝見し、これまでの経験が今後の業務内容と合致しており、貢献できると考えましたので御社への転職を決意しました。御社に入社した暁には、日々先輩から学ぶことを怠らず、マーケティング全体の業務に携われるよう努力していきたいと考えております。」
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失敗例
「前職ではWebマーケティング事業に従事しておりましたが、入社してから3年間ライティング業務しか任せられませんでした。スキルがなかなか身につかず、キャリアアップができないことに不満を感じております。マンネリ化した仕事にまったくやりがいを感じられません。
また、上長次第で評価が大きく異なる環境のため、嫌気がさしております。御社は「実力主義の企業」とお聞きしておりますので転職を決意しました。御社に入社した暁には、マーケティング全体の業務に携われるよう努力していきたいと考えております。」
NGポイント
面接官は愚痴が聞きたいわけではありませんので、不満をあまり感情的に説明するのは控えましょう。人のせいにばかりして、不満を解決するための努力が感じられない場合、「自社でも同じような不満を抱くかもしれない」と思われかねません。
あなたを採用することで、当社にどんなメリットがありますか。
この質問は、応募者がきちんと企業研究や自己分析をした上で自社を応募しているかを見極めるために問われます。就職活動では企業への熱意がアピールポイントになるケースもありますが、転職の場合、企業は即戦力となる人材を求めていることが多いですので、面接官は応募者の潜在能力や強み・スキルを知りたいと思っています。
そのため、応募企業の求めている職務能力や適性を自己分析し、これまでの経験から発揮できる強みをアピールすることが大切です。企業側の立場に立ち、「どのような人なら採用したいか」といった点で考えることをおすすめします。
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回答例
「私を採用するメリットは、お客さまへの細やかな対応を心がけ、信頼関係を構築することが得意な部分だと考えます。結果として短期的には受注率が高く、長期的にはリピート受注をいただけるといったところが強みだと感じております。前職は毎月500件の電話営業と、300件の飛び込み訪問を続けた結果、8か月連続売上目標を達成できました。
それまでお付き合いのなかった方々と一から関係性を構築することには困難もありましたが、現在では大きな糧になったと感じております。御社の営業職も幅広いお客さまにサービスを提供する仕事ですので、この経験を活かして活躍できると考えております。」
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失敗例
「私を採用するメリットは、お客さまへの細やかな対応ができることと考えます。前職では営業での受注率がトップクラスでした。また、コミュニケーション能力が高いので電話営業も飛び込み営業も得意ですし、お客さまからもすぐに信頼を得られることが強みです。全くお付き合いのなかった方々と一から関係性を構築することには困難もありましたが、現在では大きな糧になったと感じております。
御社の営業職も幅広いお客さまにサービスを提供する仕事ですので、この経験を活かして活躍できると考えております。」
NGポイント
これまでにどのような実績を上げ、それがどう応募企業への貢献に結び付くかは、できる限り具体的に答えましょう。企業の業績と特に関係がないメリットや、「メリットはありません」と弱気な答えを返してしまうのはNGです。
まとめ
今回は、面接中盤によくある質問と回答例についてご紹介しました。序盤とは異なり意欲や考え方などを問われる質問が多いので、事前の企業研究や自己分析を根気よく行い、説得力のある回答を準備しておくことをおすすめします。
回答を考える際は、志望動機やキャリアプランとも照らし合わせ、就職・転職の理由や仕事に対する価値観に一貫性を持たせることが大切です。ぜひこの記事を参考に、自身の魅力をうまく伝えてみてください。